派遣スタッフは確定申告が必要？税金の支払いについても解説

毎年正しい所得税を計算して納める「確定申告」。会社員であれば会社が年末調整を行ってくれるため、原則確定申告は必要ありません。しかし、派遣スタッフで働いている方のなかには「確定申告って必要なのかな？」と悩む方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、派遣スタッフの確定申告について徹底解説します。

派遣スタッフにも確定申告は必要？

派遣スタッフは、派遣会社が年末調整を行ってくれるため、基本的に確定申告は必要ありません。しかし、状況によっては派遣スタッフでも確定申告が必要な場合があります。詳しく見ていきましょう。

派遣会社で年末調整をしてもらえない

派遣会社が年末調整をしてくれない場合は、自分で確定申告をする必要があります。また、年末調整をしてくれる会社でも、雇用契約を結んだタイミングによって年末調整をしてもらえないことがあります。

「派遣会社が年末調整を行っているか」「年の途中で雇用契約を結んだ場合の年末調整はどうなるのか」を、事前に確認しておきましょう。

年の途中で派遣会社を辞めている

年の途中で派遣会社を辞めており、12月時点で派遣会社との雇用契約がない場合、確定申告をする必要があります。ただし、年間で複数の派遣会社と雇用契約があった場合、それぞれの会社から源泉徴収票を受け取り、現在の派遣会社に提出すれば、確定申告は必要ありません。

派遣スタッフ以外の仕事で20万円以上の収入がある

派遣スタッフ以外の仕事で年間20万円以上の収入がある場合は、確定申告が必要です。派遣スタッフのほかに副収入がある方は、年間20万円を超えていないか必ず確認しましょう。超えている場合は、忘れずに確定申告を行ってください。

医療費控除、住宅ローン控除が必要

医療費控除や住宅ローン控除な場合は、確定申告が必要です。医療費控除は、1年間で10万円以上の医療費の支払いがあった場合に控除を受けられるものです。そして住宅ローン控除は、一定の条件を満たせば数年間減税されるものです。住宅ローンを組んだ1年目は必ず確定申告が必要なので、忘れないようにしましょう。

派遣スタッフの税金の支払いについて知っておくべきポイント

そもそも、年末調整や確定申告はなぜ行われるのでしょうか。派遣スタッフで働いた給与明細を見てみると「所得税」が引かれています。しかし、本来所得税は、所得と控除を加味したうえで計算されるものです。

そのため、給与明細で引かれている所得税は、収入や基本的な控除をもとに計算した「だいたいの税額」になります。そこで、年末調整や確定申告によって正確な所得税額を計算することで、本来払うべき本当の所得税額を納められるのです。

給与から引かれた所得税が不足している場合は追加で所得税を納め、一方、給与で引かれていた所得税が多すぎた場合、還付金を受け取れるのです。

派遣スタッフの確定申告の手続きと注意点

確定申告は、毎年2月15日～3月15日の間に行います。必ず期限内で申告ができるよう、事前に準備をしておきましょう。ではここから、具体的な確定申告の手続きと注意点を見ていきましょう。

確定申告に必要なもの

確定申告に必要なものは、以下のとおりです。

・源泉徴収票

・マイナンバーカードのコピーorマイナンバー確認書類と本人確認書類

・扶養親族のマイナンバー

・社会保険料控除証明書

・医療費明細書

・生命保険控除に関する証明書

・その他控除に関する書類

確定申告の流れ

確定申告の流れは、以下のとおりです。

・1.確定申告書の作成

・2.確定申告書の提出

・3.納税

確定申告書は手書きでも記入できますが、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」の利用がおすすめです。画面の案内にしたがって必要事項を入力していくと、自動で確定申告書が作成できます。確定申告書が作成できたら、税務署に提出します。

税務署に直接持参するほか、郵送やe-Tax（電子申告）の利用でも提出可能です。マイナンバーカードがあれば、自宅からe-Tax（電子申告）が利用できるのでおすすめです。確定申告で納税額が明らかになった場合は、期限までに納税をしましょう。納税は、以下の方法で可能です。

・現金納付（税務署や金融機関窓口）

・コンビニ納付

・振替納税（口座引き落とし）

・クレジットカード納付

・e-Tax納付

税務署から納税の案内は来ないので、忘れないように気をつけてください。

注意！確定申告をしないと罰則がある

確定申告が必要なのにもかかわらず申告しないままでいると、罰則があります。確定申告が期限に間に合わなかった場合は「無申告加算税」、納税が送れた場合は「延滞税」がかかってしまうのです。

また、確定申告をしたとしても、正しい税額よりも少ない金額で申告してしまうと「過少申告加算税」がかかります。罰則を受けると、本来支払うべき税金よりも多くの税金を支払わなければいけないため、確定申告は期限内で正しく行いましょう。

まとめ

派遣スタッフの確定申告について解説しました。派遣スタッフは、基本的に派遣会社が年末調整を行ってくれるため、確定申告が不要な場合が多いです。

しかし、状況によっては確定申告が必要な場合もあります。確定申告が必要な方が申告を忘れてしまうと、罰則を受けることになってしまいます。派遣スタッフであっても、確定申告が必要かどうかを必ず確認し、必要な方は期限までに行いましょう。