派遣社員の働き方って？正社員との違いや仕組みについて解説

「派遣社員ってどういうもの？」「派遣社員の働き方について知りたい」などと悩んでいる人はいませんか？正社員やアルバイトは何となく働き方のイメージがわきますが、派遣社員のことはよくわからない人が多いかもしれません。そこで今回は派遣社員の働き方について、正社員との違いや制度の仕組みと一緒に解説します。

派遣社員の働き方とは？

派遣社員とは派遣会社と雇用契約を結び、特定の派遣先に赴いて働く社員のことです。日本における人材派遣は1986年7月の「労働者派遣法」施行からスタートし、当時は専門的な業種である13種に限られていました。

その後は徐々に規制緩和が進み、近年ではさまざまなライフスタイルに合わせて働けるひとつの方法として注目を浴びています。

派遣社員とひと口にいっても、実際の働き方は大きく「長期派遣勤務」と「単発派遣勤務」の2種類に分けられます。以下でそれぞれの特徴を見てみましょう。

長期派遣勤務

長期派遣勤務は、派遣先で長く働くことを前提とした働き方です。基本的には3か月以上の契約期間で仕事に就き、契約満了の度に更新していきます。更新を前提にしているものの、更新せずに派遣を終了してしまっても問題はありません。

また条件が合わなかった場合は、先方から更新を断られる可能性もあるでしょう。長期派遣のメリットは社会保険へ加入できること、有給休暇を取得できることです。

保障が整っているため、心置きなく働けるでしょう。ただし、有期雇用派遣としては、基本的に同じ職場で最大3年までしか働けません。通称「派遣3年ルール」と呼ばれています。

同じ職場で働き続けたい場合は、雇用形態を変えるか、無期雇用派遣に切り替える必要があります。

単発派遣勤務

単発派遣勤務は短期派遣勤務ともいわれており、短期間のみ派遣社員として働くものを指します。単発と聞くと1日や数日間をイメージするかもしれませんが、実際には31日以上です。

近年は日雇い派遣が禁止されており、30日以内の派遣ができないためです。1か月～3か月ほどが一般的な勤務期間で、更新はありません。

新店舗オープンのサポートや季節商品の販売、決算時の経理補助、イベント・講習会のスタッフなど、繁忙期や季節を限定して発生する仕事が多く、短期間に絞って稼ぎたい人に適しています。

派遣社員と正社員の違い

派遣社員と正社員の主な違いは、次の3点です。

雇用形態と雇用関係

派遣社員は派遣会社との契約を通じて、派遣先の企業で働きます。雇用主は派遣会社となり、同じ派遣先で働く派遣社員でも、労働条件や待遇はそれぞれで異なります。一方の正社員は企業に直接雇用されるため、雇用主である企業が労働条件や待遇を決定します。

雇用安定性と契約期間

派遣社員の契約は一定期間ごとに更新されるのが一般的で、契約終了後に別の派遣先で働くこともあるでしょう。正社員と比べて雇用安定性が低く、契約期間や就業条件がその都度変動する可能性があります。

正社員は基本的に無期雇用のため、継続的な雇用が保証されるのが特徴です。雇用安定性が高く、長期的なキャリアや福利厚生面で大きな安心感があります。

待遇や労働条件

派遣社員は派遣先の正社員と比べて、労働条件や待遇で不利なケースが少なくありません。たとえば、有給休暇の取得条件が異なったり、同じ業務内容でも正社員と同等の給与水準にならなかったりする場合もあるでしょう。

社会保険に加入できたとしても、優待サービスなどは受けられないかもしれません。対して正社員は企業の正規雇用者として、一般的により良い労働条件と待遇を受けられます。昇進や昇給の対象となり、派遣社員よりも恵まれた条件下で働けるでしょう。

派遣社員制度の仕組み

派遣社員は派遣会社に雇用されて、それぞれの派遣元へ赴いて働きます。具体的な仕事の指示は派遣元に従いますが、賃金・社会保険や有給休暇といった福利厚生などは派遣会社に基づきます。

また勤務時間や待遇といった労働条件は、派遣会社が派遣先と交渉・調整。派遣先で何かしらのトラブルが起きたときも、間に入って対応してくれます。

そのため、具体的な業務以外のことでわからないこと、不安に思っていることは、派遣会社に相談するのが基本です。また今後のキャリアアップや契約終了後の働き方についても相談できるため、上手に活用するとよいでしょう。

まとめ

派遣社員とは派遣会社と雇用契約を結び、特定の派遣先で働く社員のことです。主に長期派遣勤務と単発派遣勤務の2つの形態があり、それぞれのライフスタイルや希望に合わせて選べます。

雇用形態や安定性、契約期間、待遇などにおいて正社員と違いがあるため、どちらが自分に合っているかをよく検討しておくとよいでしょう。安定性や保障面で正社員より劣るものの、自分らしいスタイルで働けるのは大きなメリットです。

具体的な業務指示は派遣元に従いますが、賃金や福利厚生の管理は派遣会社が担います。直接的な業務以外で不安なことやわからないことがあれば、派遣会社の担当者へ相談しましょう。