派遣スタッフの教育訓練のポイントをご紹介！

派遣スタッフは、派遣先で効率的かつ有効な業務を遂行することが求められます。そのため、最低限のスキル、知識は習熟させる必要があります。ここでは、派遣スタッフの教育訓練とは何か、派遣スタッフの教育訓練を行う目的、教育訓練の成功に向けたポイントについて解説していきます。

派遣スタッフの教育訓練とは

派遣スタッフの教育訓練とは、派遣スタッフに派遣先での業務に耐えうるだけのスキルや知識を教育することをいいます。これは派遣された会社の立場になって考えればわかりますが、「事務仕事なのにワードやエクセルが使えない」「給与担当として派遣されたのに帳簿のみかたも知らない」「最低限の業界に対する認識や知識もない」人間を派遣されても「使い物にならない」のは明白でしょう。

派遣事業は、派遣先と派遣元の信頼関係によって成り立っています。「どこから引っ張ってきたかわからない素人」「即戦力でない人間」はお呼びではないのです。

派遣元が派遣先の求める人材をしっかりと派遣できなければどうなるでしょうか。当然、派遣元は信頼を失い、仕事がなくなることになりますので、派遣元でのスタッフ教育は非常に重要な作業なのです。

また、社会的要請、法規の側面でも教育訓練は必須のものといえます。現在、日本は非正規社員が過去に例を見ないほど増加しています。これの是非はさておき、非正規社員、派遣社員を大量に生産することで人件費を圧縮し、国と企業がダッグを組んで利益を上げてきた背景があります。

ここで問題になってくるのが、自社社員と派遣社員の待遇の格差です。これの是非はさておき、社会でもこの問題は大きくクローズアップされ、「同一労働、同一賃金」の考えのもと是正が叫ばれるようになりました。

このような最中で2015年、派遣元での教育訓練が義務付けられ、派遣先では自社社員との格差を生まないよう「要請」されました。つまり、派遣元については教育訓練をすることは義務となり、派遣先では努力義務としてすることが定められたのです。

しかし、これで派遣スタッフの待遇が改善されることがないのは、現実的に明らかでしょう。そこで2020年には派遣先にさらなる義務を課します。それは自社社員と派遣スタッフの格差をなくすことです。

具体的には給与、待遇、休憩室、食堂などの使用についての格差をなくし、教育訓練の充実などとして実施されることになります。簡単に言えば、「自社社員との格差を作るのは法律違反なので、平等にしなさい」ということになります。

派遣スタッフの教育訓練を行う目的

派遣スタッフの教育訓練を行う目的は、短絡的にいえば派遣元が顧客から信頼を勝ち取り利益を拡大させるために必要な作業ということになります。これは当たり前といえば当たり前で、優秀な人材を安定的に供給できる派遣元は重宝され、その分受注も増えるからです。そのためには、派遣スタッフの体系的かつ効率的なキャリア形成、スキルの習熟支援が不可欠です。

派遣スタッフには、それぞれ働き方やキャリア形成についての考えを持っています。「ゆくゆくは正社員として働きたい」「家庭との両立をしながらどこでも働けるスキルを身につけていきたい」「会社に縛られないためにもスキルを徹底的に習得したい」といった具合です。このようなことから、派遣元にはスタッフひとりひとりに合ったキャリア形成の支援が必要になってくるのです。

派遣スタッフの教育訓練の成功に向けたポイント

派遣スタッフの教育訓練を考えるうえで、派遣元はできるだけ研修コストを減らして利益を上げたいと考えることもあると思いますが、これは逆効果です。先述のとおり、派遣事業は自社社員との格差の解消、キャリア形成支援などが法律によって定められています。

また、派遣元が信頼され、利益を上げるためにもスタッフの教育は最優先項目なのです。では、どのようにして教育訓練を成功に導けばよいのでしょうか。それは効果的かつ、効率的な教育プログラムを作成し、派遣先との効果的な連携を構築することです。

予備校の教育プログラムなどのように、しっかり練られたプログラムは無駄がなく、最短距離で最大の効果が生み出せるように工夫されています。派遣元は派遣の目的をしっかりと精査し、派遣予定者に集合研修などで目的に応じたスキルや知識を習熟させることでこれをクリアできるでしょう。

派遣先でのOJTの活用、後追いも効果的でしょう。いくら派遣元で習熟させても、現場で使えるスキルや知識は異なることもあります。実情に合った能力向上にはOJTが不可欠ですので、派遣元や現場社員の協力なしには教育訓練の成功はないといっても差し支えないでしょう。派遣元としっかりと話し合い、体制を構築していく必要があります。

まとめ

派遣スタッフの教育訓練とは何か、派遣スタッフの教育訓練を行う目的、教育訓練の成功に向けたポイントについて解説してきました。派遣スタッフの考え方はそれぞれで、それに合った教育方法、体系的かつ効率的な教育プログラムの構築、派遣先との連携が必要ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。こちらで紹介した内容も参考に派遣スタッフの教育訓練を成功に導いてください。